2019年03月11日

ベルファストのピースライン

快晴の月曜日のロンドン。午後からは雲が出るようですが、降水確率は限りなく0に近く雨の心配は極めて低そうです。最高気温は10℃。依然として風は吹くものの、昨日よりは弱まるそうなので、公園や川沿いも安心して歩けそうです。

昨日は夕方から激しい雹が降ってビックリしましたね。デリー/ロンドンデリーでも激しい雹が降って驚いたのですが、今回もバスで移動中に急に激しい雹で冷や冷やしました。水曜日は強風、以降は雨が降ったりと今週後半は天気が崩れそうなので、今日は張り切って家事を片付けたいと思います。

ナイフによる殺人が後を絶たないロンドンですが、私達が旅行中に自宅がある地域でも若者が殺害される事件が起こりました。既に犯人グループの一部は逮捕されたようですが、強盗/追いはぎも頻発しているので改めて気を引き締めねばと思っています。少し遠回りでも必ず人通りが多い通りを使い、余分なカードや現金も持ち歩かないようにしています。暗くなってからはなるべく出歩かないようにも心がけています…が、今晩はどうしても外せないボランティアのミーティングがあるので、近場ですがバスを使って移動するつもりです。人心が荒れてますね。
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さて、これから暫くの間ブログのタイトルとは関係なく、北アイルランド旅行の備忘録が続きます。ロンドンの情報はありませんので、予めご了承ください。

今回はベルファストの街を至る所で分断しているピースラインの中でも特に有名なインターナショナル・ウォール(The International Wall)とピース・ウォール(peace walls)を見学した備忘録です。
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折角ロンドンに暫くの間住む事になったのだから、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)について知ろうと休みごとに違う地域を訪れています。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されている同君連合型の主権国家であるイギリスの、スコットランドはクリスマスに訪れ、イギリスに住んでいるのだから、今度はウェールズか北アイルランドを訪れてみようという単純な動機で計画はスタートしました。
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調べてみるとウェールズには魅力的なガーデンがありそうだったので、花が咲く季節に訪れた方が楽しめそう、という事で北アイルランドに白羽の矢が立ちました。元々北アイルランドは長い紛争のニュースを見ていた記憶が強く印象に残っており、ブレグジットの胆ともいうべき地域でもあるので興味があったことも後押しになりました。
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そこで実際に北アイルランドの首府にして最大の都市でもあるベルファスト(英語: Belfast、アイルランド語: Béal Feirste)を訪れるにあたり、是非見たいと思ったのが現在も約99箇所も残されていると言われている(正確な数字は解らないようです)ピースラインと呼ばれるカトリック系住民とプロテスタント系住民の居住区を隔てる壁です。
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恥ずかしながらこの旅行を計画するまで壁の存在すら知らなかったですし、見に行ったからといって何が分かった訳でもありません。印象としては宗教的な対立だという感じもしなかったので(宗教の違いも対立の一因ではあるのだと思いますが)、カトリック系住民とかいう呼称にも違和感を感じもするのですが。
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現地ではユニオニスト/ロイヤリスト(Unionists/loyalists:UKの一部としての北アイルランドを希求。プロテスタント教徒が特に高齢者に多いと言われている。ユニオニストとロイヤリストも厳密には違いがありますが、ここではざっくりイギリス/王室支持というような意味合いで使っています。)とナショナリスト(nationalists:アイルランド統一を希求。カトリック教徒が特に高齢者に多いと言われている)いう言葉が主に使われていたので、以降はその言葉で統一します。
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ただ当たり前ですが旅行した位でこの問題のことは全然理解できてませんし、難しい問題過ぎて用語の使い方や理解が誤っている所もあると思います。深い意味を理解できず、非常に過激だったり、問題がある風景を掲載してしまう可能性もあります。一旅行者の旅の感想だという事、別にどちらの立場にも共感・与していない事を前提にさらーっとお読みください。
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前述の通り旅行を計画するまで壁の存在も知らなかったのですが、観光局の運営する公式な観光紹介のページ『Visit Belfast』や『Discover Northern Ireland』でも紹介されていないと思うので、何処でどうやって知ったのかは覚えていません。しかし知ったからには行きたくて、地図を調べたりして足を運びました。
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因みにベルファストで盛んに配られている無料観光地図には少しだけ印がつけられていますし、現地に行くと沢山のタクシーツアーが催行されています。加えてホップオン・ホップオフツアーでも経路に組み込まれているようなので、観光バスから降りて有名な壁画だけ見ることも可能なようでした。
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が、中心地から徒歩20分、滞在していたホテルから徒歩20分といった場所にピースラインがあったので、私達はホテルから歩いて訪れました。私達が壁を見ている間にタクシーツアーに乗った沢山の人達が車で通りすぎたり、下車して説明を聞いたり、写真撮影をしたりでそれなりに人気の観光地と化しているようでした。
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しかし複数の地元の人達がブラックタクシーのツアーには乗らないようアドバイスをしていました。ブラックタクシーの多くはユニオニストもしくはナショナリストであり、偏った情報を植え付けられる可能性が高いと言うのがその理由。
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どうしても歴史について学びたいのであれば『CONFLICTING STORIES』というツアーがお勧めとのこと。実際に両サイドの為に戦った結果として投獄されていた人々の意見を直接聞くというこのツアーは、検討したもののあまりに重い内容なので私達は外したものでした。「紛争について知りたければ、CONFLICTING STORIESツアーに乗るか、全く乗らないかどちらかをお勧めする」というのが、耳にした地元の方々の意見でした。
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前述の通り壁は至る所にあり、有名な壁画も散らばっています。私達が訪れた日は冷たい雨だったこともあり、それらを全て見ることはできず。中心街から訪れやすい為に有名なインターナショナル・ウォールを見学。
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インターナショナル・ウォールの場所には、ユニオニストとナショナリストの地域を隔てる関所のような場所も残っていました。
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両側を隔てるドアが2か所設けられ、間の緩衝地帯のような場所には(宗派とは関係が無いと思われる)教会と、紛争を苦に自殺した人々を悼む碑、壁の位置を示していると思われるオブジェが設置されていました。
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紛争が激烈だった頃は、これらのゲートは午後6時~午前6時まで閉められ(地域によって時間は違ったようです)、両地域を夜間行き来することはできなかったそうですが、現在もそうであるのかは確認が取れませんでした。地元の方に気軽に質問できるような事柄でもありませんし…。
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ゲートを潜ってユニオニスト側へ行くと壁画・パネルも一転します。
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真っ向から衝突する壁画やパネルの数々に問題の根深さを感じると共に、有刺鉄線に覆われた物々しい風景の中を地元の人が淡々と通り過ぎてゆく姿に複雑な思いに駆られました。
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こんな緊張が日常なんて。

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2015年の時点では、地元の人の過半数は壁の必要性を訴えていたとのこと。

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撤去に向けて時間をかけて取り組んでいるようですが、どうなるのでしょうか。

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そこから歩いて直ぐの場所から始まるピース・ウォールは1キロ近くあるそうで、細い道の両側を高い壁が覆っている様は一種異様で圧倒されます。
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壁には様々なアートが飾られています。

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グラフィティで上書きされてしまっている箇所も。

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訪れた人たちにメッセージを残すように促す壁。

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元々は空白だった場所に残されたグラフィティとメッセージ。

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上記の呼びかけがあるため、他の壁も訪れた人の名前やメッセージがぎっしり書き込まれています。

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ただ一方で『壁を取り払え』とか『愛は勝つ』とか事情もよく知らずに書き込まれるメッセージを、地元の人々は苦々しく思っているという意見もあるようです。

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当たり前ですが、軽々しく意見を口にしたりしないよう注意が必要ということでしょう。

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空気がピリピリしているかのような緊張感で、ブレグジットの結果によっては大変なことになるかも…という恐怖のようなものを感じました。首相や王子がわざわざ訪問するわけです。

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この箇所は有名なのか、殆どのツアータクシーが停車して観光客が記念撮影をしていました。

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危うい均衡と平和が保たれていた印象です。

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posted by london-twosome at 00:32| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする