2019年07月13日

カルチェ・ラタン

薄曇りの土曜日のロンドン。本日の予報は曇り時々晴れ。最高気温は24℃で、午後7時頃雨が降る可能性があるようですので、帰宅が遅くなる方は折り畳み傘を携帯した方が安心かもしれません。

すっかりブログに書くのを忘れていたようですが、第25回参議院議員通常選挙に伴う在外公館投票が2019年7月5日(金)~7月14日(日)まで実施されています。午前9時半~午後5時まで。身分証明書と在外投票証を持参のこととのこと。詳細は大使館からの案内をご確認の上、投票をお忘れなく。

今週末もサークルライン、ハマースミス&ザ・シティーラインとメトロポリタンラインが部分運休をしています。オーバーグラウンドも運休が相次ぐようなので、お出かけ前には確認をお忘れなく。
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さて、今回はパリ旅行で乗ったウォーキングツアーで説明してもらったカルチェ・ラタンQuartier Latin)の街並みをご紹介します。
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カルチェ・ラタンはパリ5区にある大学街。左岸にありソルボンヌ大学(Sorbonne University)があることで有名な地区です。私達はDiscover Walks Parisの『Latin Quarter & Left Bank』に乗って地域を散策しました。
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ガイドさんが説明してくれたことを記憶から掘り起こして書いていますが、メモを取った訳でもないので記憶違いや間違いもあるかもしれません。雰囲気を味わう程度にお楽しみください。
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ツアーの始まりはガーランド通り(Rue Galande)。パリは19世紀にナポレオン三世の命によって道を広く、建物を画一化した為に、同じ高さの、石灰岩を中心とするクリーム色の石材でできた、同じデザインの屋根を持つオスマン・ビルディングと呼ばれる整然としたアパート群が並ぶ街並みで有名(パリ改造)。ですが、カルチェ・ラタンの一部には中世の街並みが残っています。この通りもそのような中世の香りがする場所。

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ツアーを待つ間、パリ市警が馬で巡回をしていました。ガイドさん曰く「凄く珍しい!」のだそう。

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戦争やら大改造やらで長い歴史の割には中世の建物があまり残っていないパリの町。René-Viviani–Montebelloスクエアの一角にパリで一番の古木が立っています。Robinia pseudoacaciaという北米から渡ってきた木で、現在はコンクリートの支柱に支えられています。

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この木の存在が、すぐ目の前にある英語の本屋『シェイクスピア&カンパニー』が隣の建物を買い取ってカフェにした理由の1つだったと説明されていました。

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最古の木の前には、パリ最古の教会『サン ジュリアン ル ポーヴル教会』(Saint-Julien-le-Pauvre)があります。聖ジュリアンは予言により両親を誤って殺してしまい、その罪に慄き後の一生を人の役に立つことで償いに費やした男が、イエスキリストに赦され聖人となったとのこと。

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カルチェ・ラタンにはジャズクラブが沢山あります。それはこの地区に中世の古い建物が残っていたからなのだそう。中世の建物には地下室や狭い石でできた部屋があり、音楽演奏のための音響が非常に優れていたから。ではなぜジャズなのかと言うと、第2次世界大戦でイギリスと共に戦ったアメリカ兵たちが、ヨーロッパ戦線終戦後パリでの休養を認められた際に、まだ分離政策を取り白人と同じように全ての場所に行くことが許されていなかったアメリカの黒人兵士がフランスでの自由をとっても気に入り。そのままパリに滞在して、ジャズ文化を伝え、サポートしたのだそうです。

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因みにこのジャズクラブがアームストロング等の有名ミュージシャンが演奏したことで有名なのだそうですが、ガイドさん情報によると現在は質が落ち、観光客目当てのクラブだという印象が拭えないため、本当にジャズを楽しみたいのであれば他のクラブに行くように…とのことでした。

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中世からの建物は『太鼓腹』と呼ばれるように、建物の中央から道に迫出しています。それは中世のパリでは地面に接している建物の面積に対して課税されたため、支払う税金を少なくするための知恵だったのだそう。

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ガーランド通りに並ぶ中世の建物には、昔のストリートアートも。これは聖ジュリアンが人の役に立ちたいと無償で貧しい人達の渡河を助けていたところにイエスキリストが現れた場面。

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カルチェ・ラタンの特徴の一つに単館映画館が数多あることも挙げられます。アーティスティックな映画やホラー映画専門の映画館、昔の映画を上映する映画館などが点在するそう。

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中でもガーランド通りにあるこの映画館は、同じ出来の悪いホラー映画を毎晩上映することで有名。ソルボンヌ大学の学生は試験のプレッシャー等の憂さをこの映画館でくだらない映画を皆で見て、その後カフェで議論することで晴らすのが恒例なのだとか。この映画館では映画の上映と共に目の前で舞台のように役者による劇も行われる、独特のショーを展開するのだとか。どんなのでしょうね…?

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ガーランド通りを抜けた場所に『麦藁通り』という名前の通りがあります(ツアー乗っていたフランス人も解らない、昔の言葉なのだそう)。その由来は19世紀には学問は貧富の差に関わらず誰でも平等に授けられるべきだという理念に従って、教授陣がこの通りの建物の2階から通りに座って授業を聞く生徒に講義をしたこと。その頃は泥だらけの汚い道だったので、学生たちが少し離れた農地から丸められた麦藁の塊を運んできて敷き詰め椅子代わりにしたことから、この名が付いたとのこと。

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実際に生徒が道路に敷かれた麦藁の上で勉強する様を模写した絵をガイドさんが見せてくれたのですが、建物という意味ではあまり風景が変わっていなくて驚きました。その絵の中で教授が講義をしていたのは、写真左の1階に青い窓がある建物の2階からでした。

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オスマン・ビルの最上階には屋根裏部屋があります。昔は召使が住んだ暑くて寒い、極小住宅なのだそうですが、どんなに住み心地が悪く、エレベーターが無く不便でもパリの中心部に住みたい学生さんには人気なのだとか。それでも近年は学生さんでは家賃を支払えなくなってきているそう。世界中の都市で家賃の高騰は深刻な問題です。

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一昔前は他国出身の学生さんは同じ通りに住む傾向があったそうで、現在も『英語通り』なる物が存在してました。

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中世からある通りには下水を流す溝が真ん中に通されています。階層があった頃は、位が高い人ほど道の端を歩く権利があり、身分が低いと下水近くの汚い場所を歩かねばならなかったそうです。これはアメリカとかと同じですね。

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フランス人の特徴として、美味しい物を食べるのが好きなだけでなく、食事を作って、家族や友達・仲間と食べる時間までひっくるめて重要視していることをガイドさんは挙げていました。その為、材料を買いに出る所からフランス人は真剣。街の至る所に市場が出現し、皆さんこぞって新鮮な食材を求めて市場に集まるとのことでした。この日は日曜日で市が立つ日ではなかったので、フリーマーケットのようになっていました。

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ツアーの途中で2018年ベスト・クロワッサンに選ばれたというベーカリー(La Maison d’Isabelleでしょうか?)にも寄ってくれました。残念ながらお腹一杯ですし、夜はきちんと食べたかったので購入はできず。

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Musee de la Prefecture de Policeはガイドさん曰く「パリで一番醜悪な建物」。中にはマリーアントワネット等の命を奪ったギロチンの実物が展示されているのだとか…。

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ツアーの終点のパンテオンが見えてきました。

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細い道や小さな広場が至る所にあります。学生街らしく刺激が強い主張を書いた張り紙やストリートアートも多く。ここには「環境に良いことをしよう!自分の子供を食べよう!」という張り紙があったりも。

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こんな風に整然とオスマン・ビルディングが並んでいる通りも勿論あります。

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フランス語において「college」とは高校(もしかしたら中学?)という意味なのだそうですが、カルチェ・ラタンのcollegeはフランスにおいて唯一大学という意味で使われているとのこと。

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フランスの大学にはキャンパスという概念がないそうで、有名なソルボンヌ大学(Sorbonne University)も1ブロック全てを占める巨大な建物でした。

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ソルボンヌ大学は学費が無料。誰でも学ぶ権利はあるという理念を貫いているそうですが、その分試験が多く、卒業までの道のりは厳しいそうです。

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ソルボンヌ大学の校舎には、創設された頃存在していた各学部を表す石像があります。その中に一つだけ上半身裸の女性の像が。

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その学部は考古学で、なんでも学生に人気がなかったので「いっちょ裸の女性の像でも象徴にしてイメージアップを狙ってみる?」と決められたのだとか…。ガイドさんによると嘘のようなホントの話。俄かには信じがたいですが。

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哲学者Michel de Montaigneの像は幸運を運ぶという言い伝えがあるため学生に大人気。靴の先っぽを握って、「salut, Monsieur Montaigne」(モンテーニュさん、こんにちは)と挨拶すると試験で良い点数が取れると言われているそうで、靴の先っぽだけピカピカになってます。モンテーニュ氏がエッセイを生み出したので、死ぬほどエッセイを書きまくらねばならない学生は彼の事を恨んでいるそうですが。それはそれ、これはこれ、なんですね。

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目の前には国立中世美術館(Musée de Cluny)があります。歴史が好きな方にはお勧めの美術館とのこと。

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ガイドさん曰く「French people love to hate」。このストリートアートは有名な最後の晩餐になぞらえて、フランスの政治家を風刺しているそうです。原画でユダの位置に描かれているのが現フランス大統領。学生の間では「彼は裏切り者だという印象が強い」ためなのだとか。憤慨しているのか、別の人によって顔が×で潰されています。

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ソルボンヌ大学の広場で5月危機が始まったので、フランスの歴史に大きな影響を与えた場所として歴史好きの方には是非訪れて欲しいとのこと。1968年5月に始まった学生主導のプロテスト。フランス全体の学生・労働者・果ては一般大衆も巻き込んだ大規模デモとなり数か月に亘り国が機能不全に陥ったそう。

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5月危機の評価は定まっていないようですが、その後のフランスを決定的に変えたことは確か。「Egalité! Liberté! Sexualité!―平等!自由!セクシャリティ!」をスローガンに掲げた運動は、その後ヒッピーやパンク音楽等多岐に亘る影響を及ぼしたとのこと。

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ツアーの終わりはパンテオン(PANTHÉON)。元々は教会として建造されたものの、革命を経て宗教や支配者の影響を排除する思想が確立された後はフランスの偉人(主に労働者)を祀る霊廟として機能しているそうです。

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現在のところ最後に合祀されたのはシモーヌ・ヴェイユ(Simone Veil)氏。女性初の欧州議会議長を務めたフランスの政治家で、ホロコーストを生き延び、人工妊娠中絶の合法化に尽力した為に多大な尊敬を集める人物なのだそうです。

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くるりと振り返るとエッフェル塔が見えるこの場所でツアーは終了しました。

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posted by london-twosome at 04:42| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする