2019年04月01日

ブラディーサンデーのツアー『BOGSIDE HISTORY TOUR』

夏時間になったので午前5時半に起きるとまだ真っ暗で変な気分の月曜日のロンドン。まだ5℃しかないので寒く感じます。本日の予報は晴れ。最高気温は13℃まで上がるので、陽の光があれば冬のような寒さにはならないかもしれません。日付が変わるころからは雨になる予報です。明日から木曜日までは俄雨が降るようなので、済ませられる用事は今日やっておくと楽そうです。

土曜日にブレグジットが期日通りに行われなかったことに抗議する為に、男がセント・パンクラス駅の屋根によじ登って籠城し、数時間電車が止まるなど交通機関に大混乱が生じたことがニュースになっていましたが。昨日は大きな混乱はなかったようで一安心です。でも今日も議会で妥協案の決議が行われる予定ですので、ウエストミンスター周辺にお出掛けの方は、事前に調べた方が安心だと思われます。

土曜日の夜から日曜日の朝にかけて4人が新たにナイフで刺される事件が起こりました。内2人は命に係わる怪我で入院しており、後1人も生涯後遺症が残るであろう重症とのこと。皆さん道を歩いていたら、後ろからいきなり刺されたそうで、犯人はまだ捕まっていません。

昨日映画を観に行ったら、母の日に母親を招待していると思われる親子が隣に座っていて、お母さんがポップコーンを食べながら「ポップコーンを楽しみにしてたのよねー」と嬉しそうにしてました。花束を持って歩いている方も多かったですし、ニュースではクリスマスの次に人々がお金を使う祝日であることを紹介していましたし。母の日はとっても大切な日だと認識されているようでした。
**********************************************************************
さて、今回は北アイルランド第2の都市であるデリー/ロンドンデリーのカトリック系住民が住む地域『ボグサイド』の歴史を公民権運動を中心に案内してくれるツアー『BOGSIDE HISTORY TOUR』の感想です。
2019-03-08 11.44.20.jpg
このツアーは事前予約をするようにHPには書かれていますが、当日飛び入り参加もできそうでした。毎日午前11時と午後1時に催行されており、6月~8月の月曜日~金曜日は午後3時にも追加ツアーがあります。
2019-03-08 11.48.44.jpg
事前にHPから申し込みをしたのですが、集合時間と場所が簡単に返信されたのみで、支払いは当日現金でツアー終了後に行われました。£6/人で、ツアー後フリー デリー博物館にそのまま入館すると割引価格(£4/人だったような?)で入ることが可能です。というか、参加したツアーは我々も含めて4名だけだったので、入館せざる得ない雰囲気でした。
2019-03-08 11.59.27.jpg
ガイドさんは、生まれも育ちもボグサイドという方で、凄くブラディーサンデーに思い入れがある方です。多分ですがツアーの主催会社はフリーデリー博物館の館長さんではないかと思われ、館長さんはブラディーサンデーで実の兄を亡くした方。ガイドさんご自身も、クラスメイトを失ったり、長年の差別に苦しんだりと並々ならぬ怒りがあるように見受けられました。
2019-03-08 11.56.40.jpg
伝えられる情報は事実ですが、統計などは何と言うか、切り口や伝え方で誤った印象を受ける可能性があるなぁと思う所もあったり。歴史を知り、人々の苦しみに寄り添うのは必要なことですが、このツアーに乗る際には殊更にフラットな状態を自分の中で保つことを心掛けた方が良いと感じました。自分でファクトチェックするのも大切だと思われます。
2019-03-08 12.04.29.jpg
ツアーは全部で1時間半ほど。加えて博物館で1時間近く過ごしたので、全部見終わったのは午後1時半でした。
2019-03-07 15.42.27.jpg
ツアーの集合場所はギルドホール(The Guildhall)。無料で楽しめる歴史や市の展示があり、公衆トイレを借りることができるので、ツアー前に見学しておくことをお勧めします。
2019-03-08 11.13.00.jpg
ブラディーサンデー(血の日曜日事件)は、平和裏にカトリック系住民の平等な権利を求めてデモ行進していた市民にイギリス陸軍落下傘連隊が発砲。27名が死傷した事件。ギルドホールに向かって行進していたデモ隊が軍と最初に衝突したのが、この交差点。現在はデリー/ロンドンデリー一番のパブ街となっています。

2019-03-08 11.24.20.jpg

2019-03-08 11.25.18.jpg
衝突後、逃げ惑うデモ隊の一部がこの通りの突き当りで数名銃弾に倒れました。

2019-03-08 11.28.19.jpg
ギルドホールからボグサイドに向かって歩き、ボグサイドに出た所。ブラディーサンデーの写真で頻繁に目にする交差点。

2019-03-08 11.29.25.jpg
その当時からあったお店の軒先には、現在との比較を説明する説明板が掲げられています。

2019-03-08 11.28.27.jpg
この交差点から城壁に平行して走る道沿いに有名な壁画が並びます。

2019-03-08 11.37.09.jpg
街の一角にある慰霊碑。犠牲者全ての名前が彫られています。

2019-03-08 11.45.36.jpg
有名なバリケードのレプリカ。同じくアメリカのカルフォルニア州バークレーで起こった公民権運動で書かれたスローガンに触発されて、警察組織に向けて書かれたチョークのメッセージ「You Are Now Entering Free Derry」が発端。

2019-03-08 11.48.55.jpg
フリーデリー・コーナーと呼ばれる中央分離帯には、色合いからナショナリストのシンボルとなっているカラーの花のオブジェが飾られています(元々はアイルランド共和国で独立戦争中に亡くなった人たちを悼んで身に着けられたEaster Lilyからきているのかも?)。このピンバッジがお土産物屋さんを中心に販売されているそうですが、場所によっては身に着けていると手で払われたり、押し退けられたりと嫌がらせを受けることがあるのだとか。

2019-03-08 11.52.08.jpg
フリーデリー・コーナー付近にはありとあらゆる政治的主張が掲げられています。時期柄ブレグジット反対の主張も。

2019-03-08 11.46.48.jpg
公式に承認されている壁画は、思想的偏りなく制作するよう努力されており、其々に意味があります。『The Petrol Bomber』と呼ばれるこの壁画は、1969年8月のボグサイドの戦いと呼ばれた市街戦の様子を描いています。

2019-03-08 11.51.26.jpg
Bernadette』は、同じくボグサイドの戦いを描いた作品。

2019-03-08 11.53.03.jpg
Bloody Sunday Commemoration』は、ブラディーサンデーで他界された14名の肖像。

2019-03-08 11.54.52.jpg
ベルファストなどでもそうでしたが、ナショナリストは世界中で抑圧されていた/いる民族、組織と精神的共闘を掲げているようでした。

2019-03-08 11.55.47.jpg

2019-03-08 11.59.00.jpg
このように公式に認められていない壁画も数多く存在し、そのいくつかは過激な思想に見受けられたので、写真を撮影する時は注意が必要。

2019-03-08 11.55.39.jpg
ガイドさんによると、過去や政治的主張と関係ないストリートアートも増えてきているそう。

2019-03-08 12.00.03.jpg
怪我人が逃げ込んだパブだったような…。入り口を入った所にブラディーサンデーの絵や写真があったと記憶しています。

2019-03-08 12.00.53.jpg
Death Of Innocence』は、1971年9月6日に住んでいた通りから昆虫採集に行こうとして、軍の流れ弾に被弾して他界した14歳の少女の肖像。

2019-03-08 12.05.12.jpg
街の至る所に案内板が設置されているので、全て読むとかなり知識を得られます。町の人達の知って欲しいという熱意が感じられます。

2019-03-08 12.08.42.jpg
Bloody Sunday Mural』は、1972年1月30日に起こったブラディーサンデーの出来事を描いています。カトリック教会の司祭が撃たれた住人を運んでいる場面。

2019-03-08 12.12.23.jpg
Operation Motorman』は、1972年7月31日にイギリス軍によって行われた軍事行動。戦車などを使ってバリケードを破壊して、ボグサイドの家々のドアをハンマーで壊し、寝ていた人々を連行した場面。

2019-03-08 12.12.26.jpg
The Runner』は、紛争中よく見られた催涙ガスから逃げ惑う市民を描いた作品。

2019-03-08 12.13.55.jpg
The Civil Rights Mural』は、全ての苦しみと戦いの始まりだった公民権運動を描いているとのこと。

2019-03-08 12.14.50.jpg
The Saturday Matinee』は、1969年から頻繁に起こるようになった暴動の一場面。暴動は土曜日の午後起こることが多かったので、このタイトルがつけられたそうです。

2019-03-08 13.23.58.jpg
公式な壁画に見えますが…。ツアーには入っておらず、説明も見つけられません。

2019-03-08 13.24.05.jpg
最新の『The Peace Mural』は、抽象的に平和を願って描かれたようです。

2019-03-08 13.21.48.jpg
ツアーの終わりはフリーデリー博物館(Museum of Free Derry)の前。

2019-03-08 13.22.32.jpg
元々知識が無い上に、警察や軍、デリー徒弟少年団(The Apprentice Boys of Derry)などが複雑に絡み合うので余計に理解が難しい北アイルランド紛争。この博物館に入って、少しはこんがらがっていた頭が整理されました。結果的に入って良かったです。

2019-03-08 13.25.59.jpg
2010年に下院で行われたキャメロン首相の謝罪スピーチ(「unjustified and unjustifiable」と明言)を初めて聞いたので、心を動かされました。

2019-03-08 11.33.46.jpg
posted by london-twosome at 14:23| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください