2019年06月21日

ウェイクハーストのシードバンク

雲が多いものの晴れている金曜日のロンドン。本日の予報は曇り時々晴れ。雨の心配もなさそうで、最高気温は20℃と気持ち良く過ごせそうです。

今日は朝から雨漏りの件でバッタバタ。現在もずっと壊れたままだった戸棚のドアの修理待ち中なので、早速本題です。本題も短めになってます。
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さて、今回はサセックスにあるキューが管理・運営する『ウェイクハースト』(Wakehurst)の研究や種の保存に携わる組織としての一面を感じられるミレニアム・シードバンク(種子銀行)を中心とした施設のご紹介です。
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地球上に存在する全ての植物の属種の25%の種を収集・保存することを目標としているミレニアム・シードバンク(Millennium Seed Bank)。
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世界中で収集された種と当該植物の標本がカタログ化、保存処理されて、地下の巨大冷凍庫で保存されている世界最大の種子銀行です。
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実際に研究員達が働くガラス張りの作業場に面した広い空間(足下には広大な冷凍庫があり種子が保存されている)に、種子や植物標本をどのように集め、送り、処理するのかの説明がされています。

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集められた種子は冷凍保存に際して水分が膨張して痛まないよう冷凍前に乾燥処理されるため、展示スペースも飛行機内と同程度の低湿度に保たれています。

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種子を集めているのは、気象変動や公害、経済活動や旅行によって植物の多様性が失われつつあるから。希少種の説明があり、日本の秩父を中心とする地域でしか自然では生息が確認されていないBetula chichibuensis(チチブミネバリでしょうか?)等が紹介されています。

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イギリスでは既に気候変動や水不足に対応した庭造りが急務であるという認識が強く、新聞でも芝生の水遣りはしないよう呼び掛けていたりします(芝生は強いので茶色くなっても、雨が降れば復活する為)。展示の中にも乾燥や暑さ、害虫に強い庭の作り方とお勧め植物の説明がありました。日本の石庭みたいですね。

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「最近○○を見掛けませんが、皆さんの周りでは如何ですか?情報ください」とか、「害虫がイギリスに入ったという報告がありました。見掛けたら写真と場所を添えて情報を送信してください。」とか、国中に無数にいる園芸家に呼び掛ける記事をよく見かけるのですが、ウェイクハーストの展示でも園芸家の周知を図る展示が見られました。これは侵入植物(Invasive plants)が園芸店で販売されているため、誤って購入して植えないよう注意を促す展示。現在イギリス政府によって侵入植物だと認定されている植物のリストはこちら。新たに庭に植生する前にチェックをするようにとのことです。

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こちらは侵略的外来種(Invasive Alien Species)を調べて報告できるアプリケーション『Invasive Alien Species Europe』のインストールと協力を促す展示。

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現在は3年かけてヨーロッパアルプスの植物の種を集める事業を行っているそうです。ヨーロッパアルプスは気候変動とスキー場やケーブルカーの設置、観光客の増加等によって、植物の種類が激減しているため、早急に種を収集することが肝要なのだとか。

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シードバンクの前には、花壇毎にイギリスの代表的な土壌/気候で見られる植生の見本があります。

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アメリカでもそうでしたが、イギリスでも野原の重要性が見直され、雑草が生え放題の野原を確保しようという動きが見られます。先日の新聞でも『芝生の代わりに雑草が生えた草原のような庭にしよう!そうすれば手入れも楽で、虫の保護にも一役かえます』という記事がありました。ウェークハーストでも園内の至る所に野原が確保され、雑草が咲き誇っていました。

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次回は園内の大部分を占める森林を巡る遊歩道を歩いた備忘録です。
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Wakehurst
Ardingly, Haywards Heath, Sussex, RH17 6TN
開園時間等の詳細はHPにてご確認ください。
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2019年06月20日

キュー・ウェイクハーストの庭

久し振りに晴れている木曜日のロンドン。本日の予報は曇り時々晴れ。ただ午後低いものの降水確率があるので、俄雨が降るかもしれません。最高気温は19℃。昨日は何故か午後からムシムシと暑く感じましたが、今日はいつもの涼しいロンドンらしい天候になりそうです。

鉄道職員によるストライキはオーバーグラウンドだけでなく地下鉄にも影響が出ているようで、昨日ボランティア仲間が大幅に遅刻してきました。彼女は「散々待たされた上に、私が乗ったのが最後のディストリクトラインだって言ってたわ」と朝からうんざり顔でした。帰りはバスで帰ると仰っていて、あと2日間色んな方面に影響が及びそうです。どうせ週末はまた補修とかで色んな路線が止まるんでしょうしねぇ…。
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さて、今回はロンドンの南に1時間半ほど行ったサセックスにあるキューガーデンが管理・運営するナショナルトラストの植物園/庭『ウェイクハースト』(Wakehurst)の庭を中心にご紹介します。
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庭や植物に興味があるのですが、車が無い我々にとっては、どうにもこうにも行きにくい場所にあることが多いのがネックとなり、月に1つ訪れる事ができれば良い方。春から秋にしか楽しめないことを考えると、なかなか色んな庭を見学するのは難しい状況です。
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そんな折、メンバーになっているキューガーデンから姉妹サイトであるウェイクハーストへの日帰りバスツアーの連絡が。最初は一人で申し込んだのですが、夫に話したら有給休暇を取得して一緒に参加できると言ってくれたので2人でツアーに乗ってきました。
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ウェイクハーストはガトウィック空港の近く、バスで1時間半の場所にありました。集合はキューガーデンに9時15分。9時半に出発し、到着したのは午前11時頃でした。
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折しもウェイクハーストを訪れた日は大雨。元々はナショナルトラストが持っていた土地+建物をキューが資金を出して管理運営している研究機関/庭/種の保存を目的とした自然林の為、キューガーデンと違い温室等の雨から逃げる展示がほぼ無い広大な500エーカーを超える起伏のある土地から成るため、大雨はなかなか大変。
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しかしここで楽しまねば次訪れる機会は無いかもしれないので、えいや!と飛び出し園内を3時間掛けて探索しました。3時間ではとても見切れなかったのですが、見学できた範囲で風景などをお届けします。
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長くなるので、今回は最後の方に見物した庭を中心とした備忘録です。
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日本のアヤメやハナショウブ(Iris ensata)が60種類も咲くというアイリス・デル(Iris Dell:デルは小さな谷の意)。

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土砂降りにもかかわらずテンションが上がる綺麗さ。もみじも多くあったので、秋も綺麗になりそう。

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小さな滝の周りにはツツジも多く植えられていたので、5月頃も豪華でしょうね。

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アイリス・デルからマンション方面に抜けた所にある小さな沢。

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マンション・ポンド(The Mansion Pond)。

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情報を見つけられないのですが、蜂が大好きな蜜をたっぷり含む草花が植えられた庭。

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チャペルの庭。

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元教会の建物は、スクールトリップで訪れている子供たちがご飯を食べたり、学んだりするスペースの様でした。

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教会の裏にあるウォールド・ガーデン(The Walled Garden)。

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立派な藤のトンネル。季節に訪れたら綺麗でしょうね。

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ウォールド・ガーデンは研究機関色が薄い、純粋な鑑賞用の庭に見えます。

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ピンク・ブルー・紫中心の庭。

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ベンチもあって、庭を眺めながら休憩できます。

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ウォールド・ガーデン内も幾つかのセクションに分かれていました。これは日時計が真ん中にある生垣の空間。

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鮮やかな黄色の真ん丸な花弁が可愛らしい花。

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他にもアジアの国ごとに分かれた花壇があったり、池があったりしたのですが時間が足りずに見ることができませんでした。

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野生の雉が悠々と歩いていたり、野鳥の観察もできます。


Wakehurst
Ardingly, Haywards Heath, Sussex, RH17 6TN
キューのHPはこちら。ナショナルトラストのHPはこちら
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2019年06月16日

リッチモンドパークのイザベラ・プランテーション

ちょっと暖かい朝を迎えた日曜日のロンドン。今にも降りそうですが、本日の予報は午前中は曇り時々雨。夕方からは太陽が出る時間もあるというもの。最高気温は20℃。太陽が出ると急に暖かく感じるんですよね。昨日も肌寒かったり、汗ばんだりと忙しい1日でした。今日も上着を着たり脱いだりと温度調整が必要な日になりそうです。

昨日書くのを忘れてしまいましたが、昨日と今日サークルラインとディストリクトラインが殆ど運転していません。サークルラインはオルゲート駅とエッジウォーター駅の間で、ディストリクトラインはオルゲート駅と3つの終点まで全て運休中。ピカデリーラインは運転していますし、代替バスが走っているので何とかなりますが、観光客の方々は通常より大変な思いをしそうです。
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さて、今回はロンドンの西の郊外にある王立公園『リッチモンドパーク』(Richmond Park)の中にある『イザベラ・プランテーション』(Isabella Plantation)です。
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イザベラ・プランテーションは、広大なリッチモンドパークの南東部にある40エーカーの庭。鹿が入り込んで植生を荒らさないよう、柵に囲われた特別区となっています。
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私の印象ではプランテーション=植民地の大農園という方程式が成り立っていたので、プランテーション?とはてなマークが頭の中で飛び交ったのですが。元々プランテーションとは、農地とか植物(主に樹木)を植え根付かせた場所というような意味だそうで、このプランテーションも1831年にレンジャーさんが薪が欲しくて植樹したのが現在の名前の由来とのこと。
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現在のように池、小川、草地が整備された庭の形になり始めたのが1950年代から。以降は新たな小川が掘られたり、ボグガーデン(湿地に湿生植物を使って造った庭)が追加されたりと徐々に整備が進んで現在の姿になったようです。
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この庭を知ったのはボランティア仲間に熱烈に勧められたから。雑談していた際にロンドンに住み始めてまだ1年経っていないため初めての春であることを告げると、「だったらリッチモンドパークのイザベラ・プランテーションには一度は足を運ぶべき!」と言われたのです。
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なんでもシャクナゲ(Rhododendron)とつつじ(azalea)および椿(Camellia)のコレクションで有名なのだそうで、薦められた5月中旬時点では見頃でした。しかし週末に旅行したり、用事があったり、体調を崩したりでずっと行きそびれ。
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やっと足を運べることになったのが6月中旬。既につつじやシャクナゲ、椿は散っているのは承知の上で足を運びました。
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広大なリッチモンドパーク。隈なく見ようとすると時間が足りないので、イザベラ・プランテーションの近くまで85番のバスに乗りました。

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Warren Roadバス停からリッチモンドパークに入り、徒歩15分でイザベラ・プランテーションのゲートに到着。

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イザベラ・プランテーション自体は然程広くないので、いくつかある遊歩道をくるりとのんびり一周しても1時間かかりません。

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園内にはトイレが2か所ありましたが、いずれも水洗ではなく、手を洗う水道もありません。塗るタイプの消毒液のみ設置されています。

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私達が訪れたのは時折小雨が降る肌寒い日。それでもピクニックを楽しむグループが数グループいたり、家族連れが其処彼処に居たり。晴れた日やアザレアが満開の時期は相当混み合うのではないでしょうか。

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High Woodゲートから入ってツツジの木に囲まれながら小川沿いを進み…

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ジギタリス(Foxglove)等の花を愛で…

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川のせせらぎに耳を傾けていると…

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ペグス・ポンドに出ます。

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この池は如何にもイギリスといった雰囲気に感じます。絵本から抜け出てきたみたい。

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野鳥の宝庫でもあります。

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流石元は樹木園だっただけあり、立派な木も多いです。

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そこからくるりと池を回り込み、トムソンズ・ポンド方面へ。

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先ほどとは違う小川に沿って道が続きます。

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鮮やかな黄色のポピー。

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トムソンズ池にはお子さんが水辺で遊べる工夫がされており…

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生まれて間もない産毛がほわほわとして、羽毛が生えそろっていないので頭頂が禿げている雛が泳いでいて凄く可愛らしかったです。

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全然人を恐れないので、極近くで観察できました。

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緑が鮮やかでツツジが見頃じゃなくても十分楽しめました。

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Isabella Plantation
開園時間や場所、行方などの詳細はHPにてご確認ください。
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