2018年11月07日

V&Aの『フリーダ・カーロ:Making Her Self Up』

雨が降ったり止んだりの水曜日のロンドン。本日の予報は1日降ったり止んだりが続き、最高気温は14℃。太陽も出ないので少し寒くなるかもしれません。土曜日も雨になるようで、少し残念です。

連日イーストロンドンを中心に刺殺事件が起きています。今年だけで250人が刺殺されたそうで、対策を取るべきだと声が上がっているものの、実際に何をするべきかとなると意見が割れています。アメリカでも同じ問題が議論されていましたが、警察による職務質問をもっと行うべきかどうかが、メイ首相が予算を削減して警察組織を小さくしたことに対する是非と共に議論されています。この1週間で亡くなった6人は全て黒人の若者だったことが、議論のヒートアップを加速させているようにも見えます。

空き店舗が目立つロンドンンの繁華街。高い失業率や薬物の蔓延など問題が山積しているのは、殆どの先進国(と呼ばれる国)に共通ですね。アメリカでもそうでしたが、空き店舗をコミュニティーセンターにしたり、個人のアーティストや個人商店に安く貸し出すなど、多くの取り組みがされているそうです。私達の住む町でも、ショッピングモールの空き店舗を利用して、誰でも遊べる無料のピンポン台を設置してリクリエーションスペースにしています。若者の教育を自宅でもしっかりできるよう、両親が働きづめで家に居ないという状態を作らないようにする為に、最低賃金を見直したり、職の機会を増やしたり。若者が学校が終わってからやることがなくて街を徘徊して、ギャングに入ってしまったり、薬物に手を出したりしないよう、コミュニティーを立て直したり。やらなければならないことは分かっていても、その方法となると誰も判らないような状況なのでしょう。こういう問題こそ、各国が力と知恵を合わせて取り組めれば良いのでしょうけれど。
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さて、今回はヴィクトリア&アルバート博物館で2018年11月18日(日)まで開催されている『フリーダ・カーロ:Making Her Self Up』展の感想です。
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この展示はV&Aの近くにある短期アパートに滞在していたころから開催されていて、ずっと行きたいと思っていました。しかしV&Aのメンバー(年間£70らしい)でない人はチケットを購入しなければ見れない特別展で、9月の時点で既に会期終了までのチケットが全て完売していました。

では全く見る可能性はないのかというとそうではなく、毎日午前10時の開館と同時に当日券が数量限定で販売されます。でも何枚販売されるのか質問しても、「少量です」としか答えてくれず、イチかバチかで並ぶしかない状況。物件を探したり、引っ越しをしている時には朝一の用事も多かったのでそこまで手が回っていませんでした。
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しかし現在は応募したボランティアの合否待ち。ひたすら待つしかなくて暇ですし、やることが無くて家に居るのが大嫌いな私は早速鬱々としてきたので、この展覧会のチケット購入をトライしてみることにしました。

チケットの販売は午前10時からと書かれていますし、その通りなのですが、正面入り口のドアの前にチケット購入を希望する人が並ぶべき場所がロープで示されています。私は午前9時45分に到着したのですが、既に長蛇の列で内心焦りまくりました。
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後ろに並んだ女性に「チケット少量って書いてありましたけど、何枚販売されるかご存知ですか?」と聞いても、「私も昨日質問したんだけど、少量としか言ってくれないんだよねー」と不満顔。彼女はヨーロッパからの観光客の方みたいでした。

結局午前10時きっかりに扉が開き、そこからさらに約20分チケットカウンターの前で並んで、やっと当日の午前11時45分からのチケットを購入することができました。そんなに心配しなくとも、開館と同時位に並んでいればチケットは手に入るのかもしれません。時間は遅くなるのかもしれませんが。
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この展覧会は、メキシコの青の家(La Casa Azul)と呼ばれるフリーダさんが生涯のほぼ全てを過ごした家に、旦那様の遺言に基いて近年まで封鎖されていたものが、約束の期間が過ぎて開かれ。新たに書類や手紙・写真類、デッサンや絵画に加えて、フリーダさんのワードローブや化粧品、香水や大量の薬などが発見された為、それらの物品を展示する内容でした。

フリーダさんの身の回りの物がメキシコを出たのは今回が初とのことで、時間制限が掛かった展覧会にもかかわらず、会場内は多くの人で賑わっていました。会場は然程広くなかったですが、それでも(調子が悪かったので)早めに見て1時間半掛かりました。
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展示の約半分は写真とそれらを使った彼女の生涯の軌跡、後の半分は持ち物といった感じでしょうか。直筆の手紙や切り取られた写真。使っていた香水やマニュキュアの瓶や薬の数々。絵も数は少ないものの展示されていました。

学生時代の通学中に巻き込まれたバスの事故で損傷した背骨が体を支えられない為、長期間コルセットを着用せねばならなかったそうで。そのコルセットに彼女が絵を描いたものや、足を切断した後に使っていた義足なども展示されていました。流産した際に描かれた絵なども展示されていて、壮絶な人生を前にひしひしと痛みを感じる内容でした。
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最後の大きな展示室には、彼女の洋服が飾られています。それらを見ると、いかに彼女が背も低くて細く華奢な人だったかが感じられて、闘病生活の激しさに見ているだけで打ちのめされそうな気分になるのに、豊かなアートをこの小さな体から生み出していたという事の凄さが実感され驚嘆しました。

彼女が実際に着ていた服は、豪奢ではないもののよく手入れされていて、柄と柄・色と色を大胆に組み合わせているのにお洒落でした。コルセットや義足を隠すためにゆったりしたドレスや長いスカートに体の線を拾わないトップスを着用していたというのも初めて知った事実でしたが、それを知った上で眺めても、お洒落で彼女らしいと感じられる、芯の通ったコーディネートでした。
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見ごたえ十分の展覧会でした。もう少しで終わってしまいますので、ご興味がある方はお早めに。

展覧会を出た場所に、フリーダ・カーロさんにインスパイアされたアクセサリー&スカーフ等の小物やメキシコの雑貨、フリーダさんの作品のレプリカや絵葉書を売っているショップがありました。メキシコが大好きだったボランティア仲間が居たら凄く楽しんだだろうなーと思いながら展示を見ていたので、彼女たちに出すカードを購入して、早速メッセージを書きました。
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Frida Kahlo: Making Her Self Up
展覧会の詳細はこちら
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2018年11月01日

ハリーポッターの巨大魔法の杖

雨がしとしとと降っている木曜日のロンドン。今日は午前中雨が降ったり止んだりするようですが、午後には上がり。夕方には太陽が顔を出すところも多いようです。本日の最高気温は12℃。でも雨が上がるに従って、段々と気温も下がるようなので、帰宅が夕方になる方は温かい格好をした方が良さそうです。

最近花火がよく上がります。最初は秋祭りでもやってるのかな?と深く考えなかったのですが、続くのでロンドンでは秋に花火が上がるのか?と不思議に思い始めました。調べてみると、11月5日がガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes Night)という日だからではないかと気付きました。ガイ・フォークス・ナイトとは、1605年にプロテスタントであった時の国王ジェームス1世をカソリック教徒の一味が上院議場ごと爆薬を使って暗殺しようとした事件の首謀者が逮捕された日を記念して、民衆が祝うようになった風習とのこと。昔は焚火の上に火薬を乗せるという危ないことが行われていたようですが、段々と飲めや歌えやのお祭り騒ぎが加わり。現在の屋台で飲み食いしながら、ライブミュージックを楽しみ、花火を眺めるというスタイルに変化していったようです。

今週末は至る所でガイ・フォークス・ナイトに因んだ花火大会が開かれる予定です。屋台が出て音楽が聴けるエリアに入るのに£7-10のチケットを購入する場所も多いようですが、無料のイベントもあります(サッカー場とか)。お子さん向けにちょっと早めに花火を打ち上げて、大人向けにも夜打ち上げを行うというフェスティバルも多いようですので、お子さんと出掛けるのにぴったりかも。私達も風習を知るために、何処かには足を運ぼうと話しています。
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さて、今回は2018年10月18日~11月12日までミレニアム・ブリッジの袂で展示されている、ハリーポッターに登場する魔法の杖を模した巨大パブリックアート『Lumos!』です。
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昨日はハロウィン。仮装とかデコレーションとかをする気は無いものの、なんとなくハロウィンらしさを味わいたいと、以前から見に行くつもりだったパブリックアートに足を運びました。
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場所はセント・ポール大聖堂(St Paul's Cathedral)とミレニアム・ブリッジの間。10本の魔法の杖が並んでいる場所に、人だかりができているので直ぐにわかります。
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記事を読んで勝手に魔法の杖が光るのだとばかり思っていたので、わざわざ暗くなってから足を運んだのですが。何故か全然光っていませんでした。壊れたのか、元々光るわけではなかったのか、時間が早すぎたのか(午後5時半頃訪れました)…。ちょっとがっかりしました。(追記:午後6時45分以降灯りが灯されるとのこと)
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でも訪れた人たちは満足そう。スリザリンとグリフィンドールのローブを纏った青年がセルフィーを撮影していたり、お気に入りのキャラクターの杖の前で記念撮影をしていたり。まだまだハリーポッター人気が健在なことを感じました。
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わざわざこれだけを見る為に訪れるには物足りませんが、周りはロンドン観光の中心地。テムズ・パスを歩いたり、テート・モダンに足を運んだり、セント・ポール大聖堂を見物したり、シェイクスピア・グローブ座で観劇したりするついでに見に行けるロケーションです。
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2018年10月09日

第一次世界大戦の犠牲者に贈る花『POPPIES: WEEPING WINDOW』

暖かな朝を迎えた火曜日のロンドン。現在の気温は9℃ですが、日中は20℃まで上がる予報です。1日晴れと言っていますが、本当でしょうか?何となく晴れると言われても、曇ったり小雨が降ったりする気がしてしまいます。

今日は調子が悪いので、早速本題です。
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さて、今回は第一次世界大戦が終戦してから今年でちょうど100年を迎えたことを受け、「もう一度みんなで振り返ろう」という意味を込めて展示されている、第一次世界大戦の犠牲者を追悼するアート作品『POPPIES: WEEPING WINDOW』です。
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この作品は、第一次世界大戦開戦から100年の区切りであった2014年にロンドン塔にて展示され多くの関心を呼んだそう。それから4年間、イギリス各地を周って其々の地で展示をし。この度終戦から100年の区切りの年にロンドンに帰ってきたとのこと。
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今回の展示場所は帝国戦争博物館(Imperial War Museum)。「涙を流す窓」の副題の通り、博物館のキューポラにある窓から真っ赤なポピーが雪崩落ちている展示です。
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そもそも赤いポピーは、戦没者、殊に第一次世界大戦の戦没者を悼むために身に着けたり、捧げられる花なのだとか。なんでも主戦場となり多くの血が流されたフランス・フランダースの地に、焼け野原となった後に最初に咲いた花が赤いポピーだったことを、カナダ人医師が詩に書いたことから定着。現在に至るそう。
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ただ、その由来等を調べていると、多くの事柄がそうであるように赤いポピーに対しても賛否が存在するよう。『POPPIES: WEEPING WINDOW』のアートに対しても、「どうせ一部の犠牲者しか悼んでないんでしょ?戦勝国の戦没者だけを考えて作ったんだよね?テロで命を落とした多くの罪のない人々や、先進国が気にもしない国々で命を落としたもっと多くの人達の為になんて、涙を流さないんでしょ?」と苦々しく思う意見も根強くあるようです。
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どうにも数字に弱い私としては、こうしてビジュアルに訴えてもらった方が多くの命が失われた現実がひしひしと感じられました。誰が正しいとか間違っているとかは一旦置いておいても、過去を顧みて、未来に生かそうとする方が批判ばかりして何もやらないより建設的な気もします。
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現在の世界情勢が、第一次世界大戦時と酷似しているという警鐘が鳴らされている昨今。感傷的・感情的になって「戦争は駄目」とか「平和を願う」とか言っているだけでは十分ではないと感じます。
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このアートがきっかけで、博物館に足を運んで少しでも歴史を学ぶことができたので、それだけでも有難い取り組みでした。この作品は2018年11月18日まで展示されています。勿論、無料で鑑賞できます。
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IWM London
Lambeth Road London SE1 6HZ
posted by london-twosome at 04:21| Comment(0) | パブリックアート・アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする