2020年01月24日

ミュージカル『ONCE ダブリンの街角で』

今日も曇天になるらしい金曜日のロンドン。午前中は10%以下ですが降水確率があるので、霧雨が降るかもしれません。最高気温は9℃。昨日と大体同じような気候になりそうです。

ロンドンで起こるナイフによる事件の数が過去最悪の水準になったそうです。フリーペーパーの『Evening Standard』が独自の取材によって、中学校や高校から退学処分になってしまい学校に通えないためにギャングや不法薬物の取引等に手を染めて、結果としてナイフによる事件を起こす若者が多いことが、このナイフによる事件の蔓延を招いている原因の1つであると結論づけていました。それによると、退学処分にせずに生徒が学校に籍を置いたまま更生できるようなシステムを採用したグラスゴーで若者における犯罪率が格段に下がったのだそう。1週間に亘り特集を組んでいたのですが、とても説得力がある取材でした。教育に力を入れる事が多くの問題の解決の鍵を握っているように思えてなりません。

既にコロナウイルスがイギリスにも入り込んでいると信じられているそうです。暫くの間、なるべく人混みを避ける等の自衛に努めたいと思います。公共交通機関を利用しないわけにもいきませんが。
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さて、今回はミュージカル『ONCE ダブリンの街角で』の感想です。
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『Once』はニューヨークに住んでいた時にも丁度ブロードウェイで上演されていて、とっても観たかったんです。それというのも、大好きな歌手Kokiaさんがアイルランドでアルバム制作されていた時にこのミュージカルをダブリンで観劇して、ご自身のブログでお勧めされていたから。

でもその時はニューヨークの物価や自分の収入が無い事に慣れていなくて、何もかもが凄く高価に感じて尻込みしてしまい。そうこうしている間に『ONCE』の公演が終わると知ったものの、体調を崩したりなんだりして見損なってしまったのでした。
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その時凄く後悔して、次に『ONCE』を観る機会に恵まれたら、絶対に直ぐ観に行こうと心に決めてから、早10年近く。やっとこの度イースト・クロイドンにある『Ashcroft Playhouse』で観劇してきました。

遠方の友達が多いので、いくらSNSと距離を置いていると言っても全部やらないわけにもいかず、Facebookだけは投稿したり友達の投稿をチェックしたりしているのですが。そのFacebookが「£15の安価なチケットがありますよ〜」と宣伝を載せてきて、そこでリストされていたショーの1つが『ONCE』だったのです。
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その時には既に年末に観る別のミュージカルのチケットを購入済みだったので、『ONCE』は1月に入ってから観てきました。ご存知の通り、ミュージカル『ワンス』はアカデミー賞のオリジナルソング賞やグラミー賞の最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞、トニー賞のベストミュージカル等、数々の受賞歴を持っています。

2006年にアイルランドのインディーズ映画として低予算で制作された『ワンス』は、街角で出会った男女が音楽を通して心を通わせる小さなラブストーリー。派手な所もドラマチックな展開も、魔法のようなロマンチックさも無い、ある意味地味なお話です。
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でも、それだけに。丁寧に紡がれるセッションや、普段着でそこら辺にいそうな人達がふと集まって自然と奏でる音楽や、ふとした時に寂しさややるせなさに負けそうになる心の機微や、どうにもならない運命のような物に雁字搦めにされているように見える登場人物たちが、それでも一歩を踏み出して人からみたらつまらない人生を精一杯生きる様なんかが、非常に心を打つ佳作でした。

舞台装置もシンプルで、物語の舞台自体も全然動かないのに、中弛みすること無く観れるのは、音楽や舞台構成が秀逸なことに加えて、キャストの実力も大きいです。皆さん実際に演奏しつつ、歌いつつ、踊りつつ、演じていて、素晴らしい!の一言でした。
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ラブストーリーとして考えるとハッピーエンドとは言えないようなエンディングであるにも関わらず、悲しい終わりでもない。心がポカポカするようなビタースイートな終わり方で、過去も未来も、家族も友人も、故郷も生活も夢もある大人の男女が出会って紡ぐ恋としては現実味があるので、感情移入もし易かったです。
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劇場を出た後も物語の世界から抜け出せず、頭の中を歌がぐるぐるとして、家に着くまで無口になってしまいました。音楽が好きな方には堪らない魅力を湛えた作品だと思いますので、機会がありましたら是非。
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2020年01月16日

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの『BEHIND THE SCENES』ツアー

今日も午後遅くから雨になりそうな木曜日のロンドン。本日の予報は曇りのち雨。降り始めは午後4時前後の可能性が高そうですが、午後は降水確率が10%以上あり段々と上がるので、いつ降っても大丈夫なように準備して出掛けたほうが安心そうです。最高気温は13℃。雨が降り始めるに連れ気温も上がるようです。

ロンドンの就学年齢に達する前のお子さんの5人に1人しかインフルエンザの予防接種を受けていないため、インフルエンザ流行の注意報が今週ロンドン市内で発令されました。確かにクラスメイトとかも体調を崩して休まれてる人が多いんですよね。復帰しても喉がガラガラだったり。私も移動中はマスクしようと夫に日本で買ってきてもらったのに、朝ドタバタと準備に追われて忘れてばかり。これからは忘れずにマスクを着用しようと心に誓いました。予防接種を受けていても感染しない保証はないので。お子さんがいらっしゃる方は予防接種をお忘れなく&お気をつけください。

韓国の人気K-POP グループが、世界5都市で無料のアートインスタレーションを開催することが話題になっていました。ロンドンではサーペンタイン・ギャラリーで太古の森をテーマにしたインスタレーションを開催するとのこと。無料ならば足を運んでみたいと思います。それにしても韓国国内ではなかなか大きな市場が確保できないからか、国を上げてK-POP を世界中に普及する活動に力を入れていますね。ニューヨークに居る時も、K-POP スターが独自のカウントダウンをしたり、地下鉄の広告をジャックしたりと、あの手この手で振興活動をしていました。
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さて、今回はシェイクスピアの生誕地であるストラトフォード-アポン-エイボンにある『ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー』の劇場をガイドさんに案内してもらうツアー『BEHIND THE SCENES』に乗った感想です。
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15・6歳からずっーっと訪れてみたいと思っていたロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの劇場。観劇するだけでなく、ツアーに乗って案内もしてもらいたいと、£9のチケットを事前に購入して訪れました(4月1日以降は値上がりするそうです)。

ツアーの集合場所はクロークルーム前。カウンターに居る方にチケットを見せると、ツアー参加者の印であるステッカーが配られます。人数が多い場合はステッカーの色別にグループ分けされますので、同じグループとしてツアーを受けたい場合には同じ色のステッカーを貰うようご注意ください。
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ツアーの所要時間は全部で1時間となっていますが、私達が乗ったツアーは誰も質問をしない大人しいグループだったせいか45分で終了しました。ほぼ立ちっぱなしですが、ロイヤル・シェイクスピア劇場の説明を受ける際には客席に座れます。

1879年に最初の劇場ができてから大家事からの復興、改築・増築を繰り返して現在の姿になった大まかな歴史の説明の後、ロイヤル・シェイクスピア劇場(ROYAL SHAKESPEARE THEATRE)に入り。劇場の収容人数(1,018席)や2010年11月に再オープンした際の変更点、上演する演目によってどのように客席や舞台が変更されるかの説明を受けた後、舞台裏も見せてもらえます。
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裏に回ると想像を遥かに下回る狭さに驚き。こんな狭い通路であんな目まぐるしい衣装替えをしていたのか!とか、舞台装置をこんな狭い空間で入れ替えていたのか!とか発見の連続でした。これでも2010年のリノベーションで大分広くなったそうなのですが。

劇場を出たら上階に行って、俳優さんが身につける鬘の説明。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの演目では舞台と客席が非常に近いため、よりリアリティを出すために鬘は全て本物の人毛を使用して作っているとのこと。
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その為、一つの鬘が£3,000もするそうで、なるべく無駄にしないように切れてしまった毛は髭に使ったりと使いまわしているそうです。一番手に入りにくいのは白髪の長髪との事。なるほど、確かに。

通路でも歴史や展示されている写真等の説明や、通路にある演者さん達が使うメイクルーム(上演中はお客さんは通路に居ないので、演者さんの早替え場のように使っているそうです)の話をしてくれつつ移動。お次はスワン劇場(SWAN THEATRE)に入り、説明を受けました。
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1986年にオープンしたばかりという比較的新しい劇場ながらも、426席という親密な空間と何故か歴史があるように感じる円形の作りが印象的。こちらは入ったことがなかったので、ツアーで入れて嬉しかったです。

最後は廊下に出て舞台装置を出し入れする扉の説明や、通りの向かい側にある舞台装置を制作している建物等の説明でツアーが終わりました。毎年オーディションで役者を選び直していることや、誰がいつ怪我や病気で欠席するかわからないので、全ての役者が最低3役の台詞や動きを全て頭に入れていること。
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稀に劇の途中で役が入れ替わっていること。誰がどんな間違いをしても、即興でカバーする能力も必要であること。等など、実際に演じている役者さんならではの話も聞けて、役者さんへの尊敬の念が増すこと請け合いです。

このツアーに乗ると、プラス£1でタワーの展望台に登れるようでした。ガイドさんも「ストラトフォード-アポン-エイボンの町が一望できる」とお薦めしてましたが、我々はパスしました。ツアーで十分満足でした。
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2020年01月13日

ミュージカル『The Boy in the Dress』

雨が降りそうな月曜日のロンドン。1日中降水確率が高いのでいつ降ってもおかしくなさそうですが、特に夕方からは雨になるようです。最高気温は10℃ですが、暖かくなるのは雨が降り始める頃みたいなので、日中は温かい格好をした方が良さそうです。明日は強い雨が降り、強風注意報が出されているので、済ませられる用事は今日中に済ませるが吉です。

昨日からちょっと目眩に悩まされていますが、今日は学校なので無事に電車での通学を乗り切れるように祈るばかり。そんなこんなで急いでいるので、早速本題です。
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さて、今回はシェイクスピアの生誕地ストラトフォード-アポン-エイボンにある『ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー』の本拠地『ロイヤルシェイクスピア劇場』でミュージカル『The Boy In The Dress』を観劇した感想です。
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イギリスではクリスマス時期にパントマイム(滑稽劇:流行歌やダンス、ジョークなどが盛り込まれた大衆的な笑劇のこと)を観劇するという伝統があります。去年その事を知ったのですが、まだその頃は腰の調子が悪かったり、グラスゴーに旅行したりで見損ないました。
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今年こそは!と週末版の『The Times』に含まれるカルチャー紙の『クリスマスにお勧めのエンタメ特集』を熟読。その際に☆5つが付けられていて目を引いたのがこの劇でした。
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場所を見ると高校生の時から死ぬまでに訪れてみたいと思っていたストラトフォード-アポン-エイボンで上演していることに気付き。更に調べると電車やバスで約4時間で行くことが可能でした。
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これは良い機会と早速チケットを購入した上で、電車や宿の手配をしました(電車は色々あって使いませんでしたが…それは別の機会に)。ロイヤル・シェイクスピア劇場には幾つかのシアターがありますが、『ザ・ボーイ・イン・ザ・ドレス』が上演されていたのは『The Royal Shakespeare Theatre』(メインの劇場)。
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SWAN THEATRE』の方が小さく親密な劇場で、シェイクスピア劇に向いている気はするので、機会が作れたら今度はシェイクスピアの劇をスワンシアターで観たいものです。同じ建物の中にあっても全然雰囲気が違ったので。

ミュージカルはクリスマスの家族向けの演目なだけあり、20分の休憩を挟んでも2時間20分という短さ。あっという間に終わりました。
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物語はイギリスの地方に住む少年が、母親が家族を捨てて家を出ていってしまったことに傷心し、楽しかったビーチバケーションで彼女が着ていた黄色のドレス姿を繰り返し思い返し。それがきっかけなのか、元々ファッションや服飾に興味があったのかはわかりませんが、女性誌をこっそりと手に入れては美しいドレスを眺めたりするようになり。
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学校中の注目の的で人気者のピカイチのオシャレで可愛い女の子とひょんなことから仲良くなり、彼女が作った服やドレスと出会うことで動き出します。男の子がドレスを着て女の子の振りをして皆を騙したり、劇の後半で成人男性が女装する表現がありますが、格別LGBTQの理解を深めるというような内容ではありません(主人公のドレスを着る男の子は、女の子にぽーっとなっていますし)。
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どちらかというと、性別や肌の色といったものに縛られる窮屈な考え方からの解放が主題であって、格別宗教的、道徳的な物議は呼ばない内容だと感じました(厳しい服装や肌の露出の制限がある宗教には引っかかるのでしょうが)。小さな子供にLGBTQの考えを紹介することには抵抗がある親御さんもいらっしゃるようですが、このミュージカルの内容であれば問題ないのでは?と個人的には思いました。

テーマは素晴らしいですし、実話に基づいた心温まるお話で大人から子供まで楽しめるのではないでしょうか。が、しかし是非観るようにと熱烈に勧めたいミュージカルとまでは個人的には感じませんでした。
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なんというか音楽が心にも記憶にも余り残らなかったんですよね。歌詞にもぐっときませんでしたし、メロディーも耳障りやのりが良かったですが、今となっては歌えませんし。

特に最初の30分位は音楽的には退屈で、ミュージカルとしてはどうなんだろう?と。観て後悔はしませんでしたし、好きでしたが、多くは期待しないほうが良いかもしれません。
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Feel Good Movieというジャンルがありますが、このミュージカルはそれに近いものがあります。楽しくて、ハッピーエンドでニコニコ劇場を後にできる感じ。そういう明るい気分になりたい時にはお勧めです。
posted by london-twosome at 02:34| Comment(0) | 映画・劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする