2020年07月21日

ロイヤル・ナショナル・シアター『アマデウス』

今日も雲ひとつない青空の火曜日のロンドン。本日の予報は晴れ。ただ午後になると雲が出てくるようです。最高気温は21℃。現在は13℃でさらっとしてとても気持ち良い気温なので、大体昨日と同じような気候になりそうです。日差しは強いので、帽子を忘れずに出かけたいと思います。
IMG_3465.jpg
ジョンソン首相が戻れる人は職場に戻るように促したせいか、昨日は随分住んでいる町に活気が戻ったように感じました。潰れてしまったお店はあるものの、閉まったまま休業しているお店は減りました。

出社前にコーヒーとペイストリーを買っているのかな?というような人達も見掛け、出社する人も増えているのかも…と感じました。新聞によると大企業は社員に出社するか否かの判断を任せている所が多いらしく、約1割が今週から出社するのでは?と予想していました。
IMG_3448.jpg
政府が新規感染率や公共交通機関の混み具合を勘案して、現在は通勤・通学・通院等の不可欠な用事がある人のみ利用を許可している公共交通機関の利用を、週明けにでも全ての人に許可するかもと発信していましたが、昨日は何の発表もありませんでした。バスや地下鉄が使えるようになると、旅行はできなくとも、少なくともキューガーデンやロイヤルパーク等に出掛けることが可能になるんですけれど。
*****************
さて、今回は2020年7月23日(木)までYoutubeで公開されているロイヤル・ナショナル・シアター(The Royal National Theatre)の『アマデウス』(Amadeus)の感想です。
IMG_3482.jpg
ロックダウン中、閉鎖を余儀なくされているイギリスの劇場。なんとか寄付を募るために期間限定で作品を次々とYoutube等のプラットフォームで無料公開しています。
IMG_3461.jpg
バレエやオペラも他の団体から公開されますし、本も読みたい。遣りたいことがあり過ぎて、ロックダウン中時間は有り余るほどあった筈なのに、結局殆どの作品を見逃してしまいました。
IMG_3464.jpg
『A Streetcar Named Desire』とか凄く観たくてブックマークしていたのですが、さて時間ができたぞと思っていざ観たら既に期間が過ぎて見損なったり。結構悔しい思いをしました。
IMG_3467.jpg
そんなこんなで、週末版の新聞で公開予告を観てから今度こそは見逃すまいと気合を入れていたのが、国立劇場であるロイヤル・ナショナル・シアターが1979年に初上演した劇『アマデウス』。オスカーを獲得した映画は好きですが、そもそも劇が好評だったので映画にしたという事実を知りませんでした。
IMG_3458.jpg
今回公開されている舞台は2017年の公演。2時間46分もある長い演劇で、インターミッションが1分半だけ設けられていました。
IMG_3463.jpg
もとより映画よりも生の舞台が好きなので、大好きな映画の基となった演劇ということで期待値が高かったのですが。何気なく寝る前に観れるところまで観ようと鑑賞し始めたら、結局真夜中を過ぎるまで一気観してしまいました。
IMG_3457.jpg
舞台上で実際にミュージシャン達がモーツァルトの楽曲を演奏しながら演じているので臨場感が素晴らしく。主役2人(モーツァルトとサリエリ)は勿論のこと、モーツァルトの奥さんであるコンスタンツェを演じていた女優さんが凄く良かった!
IMG_3456.jpg
泣けるからいい作品というような評価は嫌いですが、悔しさに弱い私は途中からボロ泣き。観終わっても脳みそが興奮して全く眠れなくなってしまい、結局午前3時近くまで起きていました。それ程心揺さぶらさぶられる、素晴らしい作品でした。
IMG_3459.jpg
Youtubeのコメント欄で「私はこの公演を実際にこの目で観れたことを大変幸運に思っています。素晴らしい作品でした」と書いている方がいらっしゃいましたが、確かに生で鑑賞したら大興奮するだろうなと感じました。
IMG_3460.jpg
映画版の『アマデウス』と比べると長いですし、サリエリが人間臭く、嫉妬や欲望に塗れて、悪意を剥き出しにしてモーツアルトを追い詰めていきますし。モーツアルトは、より一層高飛車で高慢ちきで人の心の機微が全く解らない天才として描かれているので、とっても暗く重く、後味が悪い作品ではありますが…。
IMG_3462.jpg
後3日しかないので、舞台が好きな方は是非!とってもお薦めです。
posted by london-twosome at 04:41| Comment(0) | 映画・劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月18日

キュレートされたストリーミングサービス『MUBI』

雲が多いものの晴れている月曜日のロンドン。本日の予報は晴れ。最高気温は23℃です。ロックダウンが始まってから、本当に連日の快晴で不思議ですね〜。今日は浄水器のフィルターを買うために、久し振りに近所を出る予定(徒歩35分程)なので、晴れてくれると嬉しいですが。アロットメントやお庭に水遣りをする人は大変そうです。
IMG_2887.jpg
ロックダウンが始まってから2回もお湯が出なくなって水風呂で震えていたのですが、昨日は完璧にお湯が出なくなり。今までだったら建物内に住む誰かがコンシェルジュさんに連絡してくれて、同日中にはお湯が出るようになっていたので放っておいたのですが。

ふと夕方まだお湯が出ないことに気付きました。焦って直ぐにコンシェルジュさんに連絡。給湯会社に連絡するよう指示されたので、夕食を作っている間に夫に対応してもらいました。
IMG_2888.jpg
そこでは「エンジニアに連絡を取って、連絡させるから!」と言われたのですが、待てど暮らせどコールバックは無く(ありがちですね)。仕方ないのでコンシェルジュさんに状況を連絡した上で、給湯会社にはEメールを送信して諦めていました。

昨日は午前4時から起きていたので眠くて、午後9時半に私は就寝。するといきなりインターフォンが鳴って覚醒。なんと午後10時前だというのに、エンジニアさんが来てくれたのです!
IMG_2889.jpg
結局午後10時半過ぎまで作業して「多分奥のケーブルの問題なんだけど、今日は道具が無くて直せない。日を改めて来ます」と言い残して帰っていきました。ロックダウン中で他人の家を訪れるのは嫌でしょうに、夜遅くまで頭が下がります。

こうやって働き続けてくださる方々のお陰で、不安も不便もなく生活できているんですよね〜。心から感謝した夜でした…寝不足ですが。対応してくれた夫もありがとう!
IMG_2890.jpg
*****************
さて、今回は専門家が厳選した映画を観ることができるストリーミングサービス『MUBI』です。
IMG_2899.jpg
以前書いたように、ニューヨークに住んでいた時に『Netflix』のトライアルを1ヶ月だけ試しました。元々映画が好きですし、まだボランティアが忙しい時期ではなかった事もあり、連続して映画を観てしまい。
IMG_2909.jpg
折角ニューヨークに住んでいるのだから、ここでしか味わえない経験や友達との時間を優先すべきと反省して、本サービスには申し込まずにキャンセルしてしまいました。でも意外と観たい映画が少ないなぁとも感じました。
IMG_2916.jpg
個人的な好みの問題でハリウッド大作とかほぼ観ませんし、ドラマも時間を取られるのが嫌いで観ないようにしていたこともあり。好みの単館系の映画やドキュメンタリーが少ないなぁ…という印象でした。
IMG_2904.jpg
今は新たなドキュメンタリーが次々リリースされているようですし、状況が随分違うとは想像しますが。あまりにも選択肢が多すぎて、結局何を観たら良いのかがわからないと面倒になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
IMG_2911.jpg
そんな方は、専門家が予め厳選したテーマに沿った単館系映画を毎日1作品ずつリリースしていき、各作品を30日間鑑賞できるストリーミングサービス『MUBI』をチェックされてはいかがでしょうか。サービスを楽しむには、月費もしくは年会費を支払う必要があります。
IMG_2913.jpg
サイト内には、厳選された作品を更にテーマに沿ってキュレーションしたセクションが用意されています。今回私がこのサービスに行き当たったのも、先日『Portrait of a Lady on Fire』を観てすっかり監督のセリーヌ・シアマ氏のファンになり。
IMG_2901.jpg
彼女の過去作品を鑑賞できないかと調べたところ、『MUBI』内に『Focus on Celine Sciamma』という特集があったから。しかも7日間の無料トライアルがあったので、シアマ監督作品を観るだけならば無料で試せそうと目論見、早速お試し入会しました。
IMG_2912.jpg
この週末で『Water Lillies』と『Tomboy』を鑑賞。『Girlhood』はシアマ監督を意識せずに既にニューヨークで鑑賞していたので、彼女が脚本・監督を両方担当した作品は全て観ることができました(『Girlhood』は『MUBI』ではまだ公開されていません)。
IMG_2902.jpg
目的は達成したのですが、面白そうな映画が多いのでロックダウンが解除されるまではサービスを利用しようか迷っています。今週から学校も忙しくなりそうなので時間が取れなそうなのですが、折角なのでもっと映画を楽しみたいような…。
IMG_2915.jpg
厳選された30作品があるだけですし、テーマ毎に別れているので、情報過多が嫌いな私にはピッタリのサービスだと感じています。
posted by london-twosome at 13:37| Comment(0) | 映画・劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月11日

映画『PORTRAIT OF A LADY ON FIRE』

風が強いものの晴れている月曜日のロンドン。本日の予報は雲が多めの晴れ。最高気温は13℃です。これから金曜日までは同じような天候が続きそうです。昨日からの強風で停電が起きている地域もあるようです。今日から外で運動することに制限がなくなって、外出する機会が増えそうですが、切れた電線にお気をつけください。
IMG_2885.jpg
昨日午後7時にジョンソン首相が全国民に向けてテレビ演説を行いました。それにより本日から今月いっぱいまで、様子を見ながら①今まで1日1回に制限されていた外での運動を無制限にできること(同じ場所に住んでいる同士であれば、ベンチで休んだり、テニス等の屋外での運動を行うことも可);②在宅で働くことができない職種(建築業や製造業)は出勤することを奨励すること;但し③通勤には極力公共交通機関を利用せず、自家用車や自転車、徒歩を利用すること、が発表されました。

その上で、Rが1を超えないことを前提に、1日の感染数や死者数を鑑みて、このまま感染が抑えられていたら6月1日を目処に1歳〜6歳までの児童の通学を徐々に解除していくことを検討すること。またそれでも感染者数が抑えられれば、7月1日を目処に一部カフェやレストラン等の営業を制限付きで認める方針を発表しました。但し、全てRが1を超えたり、感染者数が著しく上昇した時点で、直ぐにロックダウンに戻る覚悟も促されています。
IMG_2880.jpg
夫は自宅で働けるので、我々に関してはほぼ今までと変わらない生活となりそうです。週末など時間がある時は、今までよりは散歩をする機会が増えるかも?というくらい。ただ2M以上のソーシャルディスタンスを保たねばならないことには変わりないので、混んでいる場所には行けないことを考えると、あんまり散歩もできなそう…というのが正直なところです。

昨日から恒例の体調不良で寝込んでいます。その為頭がうまく働かず…。上記も新聞など読まずに、昨日の首相演説を聞いた記憶から書いているので、間違いがあるかもしれません。ご自身でダブルチェックをお願いいたします。
*****************
さて、今回はオンラインで鑑賞した映画『PORTRAIT OF A LADY ON FIRE』(Portrait de la jeune fille en feu)の感想です。
IMG_2879.jpg
『PORTRAIT OF A LADY ON FIRE』はフランス映画で、監督・脚本はセリーヌ・シアマ(Céline Sciamma)氏。2019年の公開作品です。

イギリスで公開されたのは2020年2月。BBCのシネマコーナー、新聞各紙でも絶賛されており、あまりのレビューの素晴らしさに是非観たいと思っていた映画でしたが。
IMG_2882.jpg
隔週配信されていた(残念ながらコビッド19でスポンサーが降りてしまった影響で、現在はお休みになっています…)気に入っていたポッドキャストでもホストがお勧めしていただけでなく。ウィーンに住む友人があまりに感動して、立て続けに2本もエッセイを書いて読ませてくれたので、絶対に観ようと決めていた作品でした。

しかしイギリスで公開された時には既にコビッド19が流行し始めており。躊躇している間に映画館自体が休業して見損なっていました。
IMG_2883.jpg
そこへTimes誌が特集していた『自宅でストリーミング鑑賞すべき映画5撰』という記事でこの映画が選ばれており、既にストリーミングできることを知り早速鑑賞。£9.90で48時間の猶予が与えられたので、2日連続2回鑑賞しました。

感想をまとめたかったのですが、上手く言葉にできません。ここ数年で観た映画でダントツ1位でしたし、人生で観た映画10撰でも入るであろうと感じるほど素晴らしい作品でした。
IMG_2854.jpg
が、何をどう感じたのかがまとめきれていません。色んな感情が渦巻いたのだとは思うですが、それが怒りなのか、悲しみなのか、メランコリーなのか、歯がゆさなのか、憧れなのか、喜びなのか、驚きなのか…自分の中で消化できていません。

18世紀を舞台にした女性同士のラブストーリーなのですが…考え抜かれた映画にほぼ言えるように、普遍性があるので時代劇を見ているという感じは受けませんでした。女性同士というところにスポットライトが当てられがちですし、それは大事な特徴の1つではあるのですが、そこでも普遍性は損なわれていません。
IMG_2886.jpg
18世紀の女性同士の恋なので、一般的な意味からいったら結ばれない2人なわけですが、悲しい結末とも言い切れませんし。たった1週間の時間を、絵画や音楽、文学を語り合ったり、一緒に創造する過程を経ることで、2人(メイドさんも入れると3人ですね)が深く理解し合って結びついていく過程が、緊張を孕んだままずーっと1時間以上描かれています。

その間、主人公は微笑まない、笑わない、あまり言葉さえ交わさない。音楽さえも作中では2箇所しか使用されていないと記憶しています。
IMG_2843.jpg
静けさや間、娯楽の少なさが生み出すお互いへの集中が醸す緊張が、殆ど起承転結さえ無いような静かな物語であっても観る人をグーっと登場人物に集中させる効果を生んで、最後まで息もつかないような集中を生んでいました。久し振りに映画を鑑賞してから暫くは世界観から帰ってこれず、夫とも言葉を交わさずぼんやりしてしまう時間を過ごしました。

鑑賞後数日間は事あるごとに何故か映画の事が頭に浮かぶ始末。この映画は映画館で観たかったです。
IMG_2871.jpg
あまりに素晴らしい作品だったので、すっかりセリーヌ・シアマ氏のファンになりました。これから彼女の手掛ける映画が公開されたら、絶対に観ると思います。
posted by london-twosome at 19:23| Comment(0) | 映画・劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする